グリメピリドと比較して、ダパグリフロジン+サキサグリプチンの2剤同時追加は、メトホルミン服用でコントロール不十分な患者の血糖コントロール、体重およびその他の代謝パラメーターを大幅に改善することを示唆する研究結果が、Diabetes, Obesity and Metabolismで報告されました。

本研究は52週間の多施設二重盲検実薬対照試験であり、メトホルミン服用患者を無作為化に1:1で、ダパグリフロジン10 mgとサキサグリプチン5 mg(227例)、またはグリメピリド1-6 mg(217例)に割り付けられ、有効性の主要エンドポイントであるベースラインから52週目までのHbA1cの変化を検討しています。

ベースラインにおける平均(標準偏差[SD])について、年齢、糖尿病の期間およびHbA1cは、それぞれ56.1(9.7)歳、7.8(6.4)年および8.5%(0.8%)でした。 ベースラインから調整後の平均HbA1cの変化は、ダパグリフロジン+サキサグリプチン併用群で-1.35%、グリメピリド群では-0.98%(p<0.001)でした。 体重と収縮期血圧のベースラインからの変化は、ダパグリフロジン+サキサグリプチン併用群では-3.1kgおよび-2.6mmHg、グリメピリド群では+1.0kg(p<0.001)および+1.0 mmHg(p=0.007)でした。 グリメピリド群よりも多くの患者がHbA1c<7.0%を達成し(44.3% vs 34.3%; p=±0.044)、治療強化を必要とする患者はより少ない結果でした(1.3% vs 8.8%; p=0.002)。

従来から明らかになっているように、本報告においてもSGLT2阻害薬が含まれる群では、HbA1c低下効果に加えて他剤と比較して体重や血圧を減少させる結果となりました。アストラゼネカが1月17日に発表した内容によると、SGLT2阻害剤フォシーガの慢性心不全治療薬としての、効能・効果追加が申請されており、こういったエビデンスに基づいた議論がより活発になるのではないでしょうか。

Diabetes Obes Metab. 2020 Feb 12. doi: 10.1111/dom.13997.