2型糖尿病患者に対しSGLT2阻害薬を投与している患者は、GLP-1受容体作動薬を投与している患者に対して、痛風の発症リスクが低下する可能性がAnnals of Internal Medicineで報告されました。

米国内のデータベース(IBM MarketScan)を用いたコホート研究で、成人2型糖尿病患者(n=295,907)を対象に、SGLT2阻害薬が投与された群とGLP1受容体作動薬が投与された群で痛風の発症リスクの比較検討を行いました。

解析の結果、1000人年当たりの痛風の発症リスクはSGLT2阻害薬を投与された群は4.9、GLP-1受容体作動薬を投与された群は7.8であり、SGLT2阻害薬はGLP-1受容体作動薬に対して、ハザード比が0.64(95%CI:[0.57〜0.72])であり、痛風の発症リスクが有意に低い事が確認されました。

SGLT2阻害薬の投与によって尿酸値の低下が確認された報告はありますが、痛風の予防効果に繋がる報告はありませんでした。本試験はコホート研究の結果でありますが、痛風患者や痛風のリスクが高い人では、SGLT2阻害薬によってそのリスクが低下する可能性が示されました。解釈上の制限はありますが、参考情報としてご確認ください。

Ann Intern Med. 2020 Jan 14. doi: 10.7326/M19-2610.