重度呼吸器疾患を発症した新規ベータコロナウイルス(2019-nCoV)感染の集団は、重度の急性呼吸器症候群コロナウイルス感染と類似しており、ICU入院と高い死亡率に関連していたことがLancetで報告されました。

電子医療記録に加え、2019-nCoV感染患者またはその家族と直接コミュニケーションを取り、疫学的および症状のデータを確認し、2019-nCoV感染患者のデータを前向きに収集および分析を行いました。

2020年1月2日までの入院患者41人が、実験室で確認された結果を元に2019-nCoV感染症であると特定されました。感染患者のほとんど(41人中30人[73%])は男性で、基礎疾患としては糖尿病(8 [20%])が最も多い結果でした。次いで高血圧(6 [15%])、心血管疾患(6 [15%])を含む基礎疾患(13 [32%])が半分未満でした。年齢の中央値は49・0歳で、患者全員に肺炎があり、胸部CTで異常な所見が認められ、13人(32%)の患者がICUに入院し6人(15%)が死亡しました。

糖尿病に直接関係のある報告ではありませんが、今最も話題となっている感染症の一つであり、特筆すべきは感染者の基礎疾患として最も糖尿病が多いことです。中高年に多く感染し、高血圧や糖尿病などの持病がある人はリスクが高い等の報道がされている一方で、本論文でも「起源、疫学、ヒト伝播の期間、および疾患の臨床的範囲に関する知識の大きなギャップは、将来の研究による実現が必要です。」とあるように、糖尿病がリスクになることは未だ不明です。

Huang, C., Wang, Y., Li, X., Ren, L., Zhao, J., Hu, Y., … Cao, B. (2020). Clinical features of patients infected with 2019 novel coronavirus in Wuhan, China. The Lancet. doi:10.1016/s0140-6736(20)30183-5