SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬の併用療法は、2型糖尿病または肥満の患者に対し有害事象を増加させることなく血糖コントロールの改善を示唆する研究結果が、Endocrineで報告されました。

各種データベース(PubMed、Embase、CENTRAL、Web of Science、Scopus.)を検索し、SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬の併用療法に関する臨床試験のメタ解析を実施しました。本研究は5件のランダム化比較試験(RCT)と6件の非ランダム化比較試験(NCT)の計11件(n=1,604)の臨床試験から解析が行われております。

SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬の併用療法はプラセボ群と比較して、心血管イベントの発生率の低下が確認されました。また空腹時血糖が1.28mmol/Lを改善し、食後2時間血糖は1.34mmol/Lの改善、またHbA1cは1.32%の改善、体重が0.93kgの減少、収縮期血圧の1.05mmHgの改善が示されました。低血糖や生殖器の真菌感染症および尿路感染症の発生率は、対照群と有意な差は認められませんでした。

SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬の併用により有効性を検討した試験結果は、過去にLancet Diabetes & Endocrinologyにて報告されております。利尿を促し血圧を低下させるSGLT2阻害薬の作用と、中枢神経系を介した食欲低下により体重を減少させるGLP-1受動態作動薬の組み合わせは理に適っている事が考えられます。治療提案に際し、参考情報としてご活用ください。

Endocrine. 2020 Jan 3. doi: 10.1007/s12020-019-02175-6. [Epub ahead of print]

Lancet Diabetes Endocrinol. 2016 Dec;4(12):1004-1016. doi: 10.1016/S2213-8587(16)30267-4. Epub 2016 Sep 16.