SGLT2阻害薬のエンパグリフロジンはDPP-4阻害薬と比較して、心不全による入院、末期腎不全および全死亡リスクを低下させる事を示唆する研究結果が、日本ベーリンガーインゲルハイムと日本イーライリリーのプレスリリースで報告されました。

本研究は、日本、韓国、台湾の約57,000人の成人2型糖尿病患者を対象としたEMPRISE試験の中間解析結果であります。日常診療において、SGLT2阻害薬のエンパグリフロジンはDPP-4阻害薬と比較し、心不全による入院、末期腎不全および全死亡のリスク低下の相関を確認しました。

解析の結果、エンパグリフロジンはDPP-4阻害薬と比較して、2型糖尿病患者の心不全による入院リスクを18%低下、末期腎不全リスクを63%低下、全死亡リスクを36%低下が示されました。また、これらの結果は心血管疾患既往の有無にかかわらず一貫していることが明らかになりました。

本研究は、東アジア(日本、韓国、台湾)の日常診療データを用いた結果であり、米国の日常診療データを用いたEMPRISEの解析結果と一貫した結果となりました。民族差がなかった事も本論文のポイントであるかと考えられます。情報提供のご参考に是非ご活用ください。

日本ベーリンガーインゲルハイムと日本イーライリリーのプレスリリース