収縮期血圧の積極的な治療(収縮期血圧<1​​20mmHg)は、糖尿病の増加とは関係しない一方で、空腹時血糖値の低下と関係することを示唆する研究結果が、Hypertensionで報告されました。

参加者は50歳以上で収縮期血圧が130〜180mmHg、心血管リスクが増加していた患者であり、糖尿病、多発性嚢胞腎、1g/dを超えるタンパク尿、心不全、認知症、または脳卒中がある場合、参加者から除外されました。その結果、無作為化された9361人の参加者があり、981人が除外され、4187人が積極的治療群、4193人が標準的治療郡に割り当てられました。評価アウトカムは糖尿病の発生、すなわち空腹時血糖≧126mg/dL、糖尿病の自己報告、または血糖降下薬の新たな使用であり、二次アウトカムは、正常血糖(<100 mg/dL)の患者の空腹時血糖障害(100〜125mg/dL)とされています。

積極的治療群の糖尿病発症は299件(年間2.3%)で1000人年あたり22.6件、標準的治療群では251件(年間1.9%)で1000人年あたり19.0件でした。空腹時血糖値の低下は、100人年あたりそれぞれ26.4(24.9–28.0)および22.5(21.1–24.1)でした(調整ハザード比:1.17 [1.06–1.30])。

本報告では積極的な血圧治療が糖尿病の発症と関係しないこと、空腹時血糖値の低下と関係したことから、特に空腹時血糖が高い患者に対して積極的な血圧治療を行うというような、患者個別に治療目標を検討することが提案されています。血圧治療を考慮した糖尿病治療の提案に情報をご活用ください。

2019 Dec 23:HYPERTENSIONAHA11812572. doi: 10.1161/HYPERTENSIONAHA.118.12572.