急性腎障害の罹患率は、SGLT2阻害薬が投与された患者で減少する事を示唆する研究結果が、PLoS Medで報告されました。

各種データベース(PubMed、EMBASE、Cochrane library、ClinicalTrials.gov)を検索し、SGLT2阻害薬における腎の有害事象(急性腎障害、複合腎有害事象、または血液量減少関連イベント)の系統的レビューおよびメタ分析を実施しました。本研究は112件のランダム化試験(n=96,777)および5つの観察コホート(n=83,934)で解析が行われております。

解析の結果、血液量減少に関する有害事象はSGLT2阻害薬の投与で20%高い事が確認されましたが、急性腎障害の発症率はRCTの解析においてSGLT2阻害薬を投与している患者で36%減少した事が確認され、観察コホートにおいては60%減少した事が確認されました。またSGLT2阻害薬間(カナグリフロジン、ダパグリフロジン、およびエンパグリフロジン)において、有害事象の発現率に差はありませんでした。

本研究において慢性腎臓病の進行を減少させるだけでなく、急性腎障害の予防効果がある事が示唆され、SGLT2阻害薬間で有意な差は認められませんでした。また腎機能に関連するSGLT2阻害薬の有益な効果を裏付ける証拠が増えております。情報提供のご参考に是非ご活用ください。

PLoS Med. 2019 Dec 9;16(12):e1002983. doi: 10.1371/journal.pmed.1002983. eCollection 2019 Dec.