2型糖尿病患者は糖尿病でない人と比較して椎体骨折の発症リスクが高い事を示唆する研究結果が、Diabates Careで報告されました。

オランダのエラスムス大学医療センターの研究グループは、2型糖尿病と椎体骨折との関係を調査するために、Pubmedにより検索した15件の研究結果のシステマティックレビューを行いました。

852,705人の男性と女性を含む15の研究全体で、2型糖尿病患者の椎体骨折の発症率は糖尿病でない人と比較して1.35倍(95%CI 1.27–1.44)のリスクが示されました。うちコホート研究の19,820人のデータを解析すると、椎体骨折の既往歴のある2型糖尿病患者は、2型糖尿病および椎体骨折の既往歴のない人と比較して、非椎体骨折の発症リスクが2.42倍(95%CI 1.86–3.15)有する事が示されました。また、死亡率についても椎体骨折の既往を有する2型糖尿病患者はそれらのいずれもない人と比較して2.11倍(95%CI 1.72–2.59)高く、椎体骨折の既往のみの人との比較でも1.84倍(95%CI 1.49–2.28)高い事が示されました。

本研究により、椎体骨折の発症リスクは2型糖尿病患者で上昇する事が確認されました。また脆弱性骨折は患者のADLやQOLの低下に影響するだけでなく生命予後も不良にする重大なイベントであり、糖尿病の治療においては骨折の予防を考慮した骨粗鬆症治療を行う事も重要な治療戦略になるかと考えられます。是非、治療方針の確認等にご活用ください。

また11月13日の第432回中医協総会において、ノボラピッドと同成分(インスリン アスパルト)であるフィアスプの薬価収載が了承されました。フィアスプ注 フレックスタッチ、フィアスプ注 ペンフィル、フィアスプ注 100単位/mLが、11月19日に薬価収載予定です。

Diabetes Care. 2019 Oct 28. pii: dc190925. doi: 10.2337/dc19-0925.