SGLT2阻害剤が、2型糖尿病患者の透析、移植、または腎疾患による死亡のリスクを軽減し、急性腎障害の保護効果を有することを示唆する研究結果が、The Lancet Diabetes & Endocrinologyで報告されました。

本試験は、2型糖尿病患者の主要な腎アウトカムへの影響をみたSGLT2阻害剤の無作為化対照試験のシステマティックレビューとメタ解析が行われました。MEDLINEとEmbaseの検索を通じて対象となる試験が特定され、主な結果は腎疾患による、透析、移植、死亡の複合でした。

特定された2085件から4つの研究が3つのSGLT2阻害剤、エンパグリフロジン(EMPA-REG OUTCOME)、カナグリフロジン(CANVAS Program and CREDENCE)、およびダパグリフロジン(DECLARE-TIMI 58)が評価する選択基準を満たしました。合計38,723人の参加者のうち、252人が透析または移植を必要とするか腎疾患で死亡し、335人が末期腎疾患を発症し、943人が急性腎障害を発症しました。

SGLT2阻害剤は、腎疾患による透析、移植、または死亡のリスクを大幅に低減し、末期腎疾患と急性腎障害についても減少させています。これらの腎保護効果は、ベースラインのアルブミン尿およびRAS遮断剤の使用に関係なく、研究全体で一貫した効果が認められました。

それぞれSGLT2阻害剤において有名な試験が含まれたシステマティックレビューであり、The Lancet Diabetes & Endocrinologyに掲載されたことで、話題に上りやすい研究報告であると考えられます。適応外の効果を示唆するため、あくまで研究報告がなされている事実の把握に留まることをご注意ください。

Lancet Diabetes Endocrinol. 2019 Nov;7(11):845-854. doi: 10.1016/S2213-8587(19)30256-6. Epub 2019 Sep 5.