SGLT2阻害薬とDPP-4阻害薬を比較した研究結果や2型糖尿病の新たな治療薬についての試験結果について紹介しております。またFDAで新たに承認された薬剤や追加適応となった薬剤の紹介をしておりますので内容を是非ご確認下さい。

新たな2型糖尿病治療薬の試験結果が発表 (4月9日)

大日本住友製薬とフランスのPoxel社は、日本で開発中の2型糖尿病の治療薬「imeglimin」の第3相試験で主要評価項目を達成した事を発表した。本試験は、213人の日本人の2型糖尿病患者を対象に、imeglimin群とプラセボ群を比較した結果、主要評価項目である投与24週間後のHbA1cの変化量はプラセボに対して-0.87%と有意な改善が示された。また副次評価項目である空腹時血糖の減少についても、プラセボに対して-19mg/dLと有意な改善が示された。その他、第3相臨床試験や他剤との併用・安全性の結果に関しては現在解析中で、2019年末に発表予定としている。また日本での本剤の新薬承認申請は2020年に行う事が計画されている。

SGLT2阻害薬とDPP-4阻害薬を比較したリアルワールドの観察研究の結果が発表 (3月28日)

ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリーは、エンパグリフロジンとDPP-4阻害薬を比較したリアルワールドの観察研究「EMPRISE」において、医療資源の利用と安全性に関する結果をマネージドケア薬学会(AMCP)および米国心臓病学会(ACC)にて発表した事を報告した。本研究では、エンパグリフロジンはDPP-4阻害薬と比較して、追跡調査期間の中央値が5.4カ月において全ての入院リスクが22%低下する事が報告された。また入院患者のうちエンパグリフロジンを投与された患者は早期に退院または救急来院や外来での再受診の低下と相関することがAMCPにて発表された。さらに、EMPRISE研究における有効性および安全性に関する結果はACCにて発表され、エンパグリフロジンはDPP-4阻害薬と比較して心不全による入院または全死亡リスクの42%の低下と相関し、骨折または下腿切断のリスク上昇とは相関しないことが示された。

ダパグリフロジンは1型糖尿病に対する効能・効果と用法・用量の追加承認を取得 (3月27日)

アストラゼネカと小野薬品工業は、ダパグリフロジンについて1型糖尿病の効能・効果および用法・用量の追加承認を取得したことを発表した。本承認は第3相臨床開発プログラムのDEPICTと、国内第3相長期安全性試験の結果に基づくもので、両試験では血糖コントロールが不十分な1型糖尿病患者を対象に、用量調整可能なインスリン療法への経口投与の補助治療としてダパグリフロジンを投与した結果、5mgおよび10mgいずれの用量も平均HbA1c値(主要評価項目)が有意かつ臨床的に意義のあるベースラインからの低下を示し、また24週の時点での体重とインスリンの1日総投与量(副次評価項目)の減少が確認された。

経口のGLP-1受容体作動薬がFDAにて承認 (3月20日)

ノボノルディスクは、経口のGLP-1受容体作動薬であるセマグルチドがFDAに承認された事を発表した。セマグルチドは世界で初めての錠剤化に成功した1日1回服用するGLP-1受容体作動薬である。