厚生労働省より、SGLT2阻害薬を含む血糖降下薬の市場の推移についてのデータが発表されました。またSGLT2阻害薬に関する報告として、糖尿病性ケトアシドーシスの臨床的特徴をSGLT2阻害薬の有無別で検証したデータについての記事を今回は紹介しています。血糖降下薬の市場の推移については、糖尿病治療薬を扱う担当者として知っておくべき情報かと思いますので、是非とも内容をご確認下さい。

SGLT2阻害薬を含む血糖降下薬の市場の推移について (1月28日)
厚生労働省は2013年4月から2018年3月までのレセプトデータを分析し、血糖降下薬の薬剤料の推移や投与日数の分布等を集計したデータを発表した。データによると、血糖降下薬の薬剤料は、2013年度で3,363億円、2014年度で3,538億円、2015年度で3,890億円、2016年度で3,935円、2017年度で4,271億円と、増加の一途を辿っている事が確認された。

またSGLT2阻害薬においては、2014年度に50億円、2015年度で156億円、2016年度で312億円、2017年度で493億円と報告されており、2014年度から約10倍近く増加している事が確認された。また、処方箋1枚当たりの血糖降下薬の薬剤料を年齢階級別に見ると、血糖降下薬はいずれの種類においても65歳前後で最も高く、DPP-4阻害薬は高齢になるほど割合が多く、SGLT2阻害薬は70歳未満で割合が大きい事が示された。

糖尿病性ケトアシドーシスの臨床的特徴をSGLT2阻害薬の有無別で検証 (1月9日)
糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)の臨床的特徴を、SGLT2阻害剤の有無別に検証した試験結果が「Diabetes & Metabolism」オンライン版で報告された。2014年9月から2017年8月までの期間において韓国のレセプトデータから後ろ向き検討を行っており、DKAが認められた18歳以上の患者に対し、SGLT2阻害薬の有無別に分類し、DKAの臨床的特徴を比較した。

検証の結果、ICUで治療を要した日数が、SGLT2阻害薬の使用群では平均4日の期間を要しているに対し、非使用群では平均2日であり、SGLT2阻害薬の使用群は非使用群に対して治療を要した日数が有意に長い事が示された。またSGLT2阻害薬使用群の血糖値は413mg/dLであったのに対し、非使用群では554mg/dLと、SGLT2阻害薬の使用群では血糖値が低い事が示された。