FDA諮問委員会による新たなSGLT2阻害薬の協議結果や、SGLT2阻害薬の骨折リスクに関するコホート研究結果について取り上げております。海外を含むSGLT2阻害薬の動向と、安全性に関する最新情報を把握頂き、今後の治療方針についてディスカッションされる際にお役立てください。

FDAの諮問委員会によるSGLT1およびSGLT2の2つを阻害するソタグリフロジンの協議結果 (1月17日)
サノフィは、ソタグリフロジンに対するFDAの内分泌・代謝医薬品諮問委員会による評価について、プレスリリースで明らかにした。プレスリリースによると、同委員会は1型糖尿病治療薬として承認申請されたソタグリフロジンを評価した結果、ベネフィットがリスクを上回り承認に値すると投票した委員が8名、反対が8名であった。

FDAによる承認に際して、諮問委員会の投票に必ずしも従う必要がないとされるが、承認を決定をする際に考慮され、最終的な審査の完了は2019年3月22日までと予想されている。ソタグリフロジンは、SGLT1とSGLT2の両方を阻害する糖尿病治療薬である。

カナグリフロジンの骨折リスクに関するコホート研究 (1月1日)
保険請求データに基づく研究により、カナグリフロジンとGLP-1受容体作動薬で治療された2型糖尿病患者の骨折率は同様に低い事が示された。

2013年3月から2015年10月までの米国のデータベースにおいて、カナグリフロジン投与患者とGLP-1受容体作動薬投与患者は共に79,964人と同定された。平均年齢は55歳で女性が48%を占め、HbA1cは平均8.7%、インスリンが27%の患者に処方されていた。骨折率はカナグリフロジン投与患者で年1,000人あたり2.2件、GLP-1受容体作動薬の投与患者で年1,000人あたり2.3件と同等で、全体のHRは0.98(95%CI, 0.75-1.26)であった。

2型糖尿病、かつ比較的骨折リスクが低い中年患者を対象とした本研究において、カナグリフロジンはGLP-1受容体作動薬と比較しても骨折リスクの増加と関連しなかった事が確認された。