糖尿病治療薬と精神疾患との関連、自己注射の補助具を安全かつ有用に使用するための留意点に関する学会発表、さらに2019年版の糖尿病診療指針について、本レポートで紹介しています。この情報をご活用頂き、まだご確認でない先生への情報提供としてお役立てください。

糖尿病治療薬、コレステロール低下薬や降圧薬が、統合失調症などの重篤な精神疾患の管理に有用である可能性 (1月9日)
スウェーデンで抗精神病薬による治療を受けた15歳以上の統合失調症や双極性障害、非感情性精神病患者14万2 ,691人を対象とし、スタチン、Ca拮抗薬およびメトホルミンの処方と精神科入院および自傷行為との関連を調べた研究結果が、「JAMA Psychiatry」で発表された。本研究よりスタチン、Ca拮抗薬およびメトホルミンを処方されている期間では、処方されていない期間に比べて、精神科入院および自傷行為リスクが低いことが分かった。

糖尿病治療用注射製剤に関わる「補助具」の適正使用のための留意点を発表 (1月4日)
日本くすりと糖尿病学会は、糖尿病自己注射に関わる医薬品の適正使用に関する検討委員会において、インスリン注射製剤やGLP-1受容体作動薬の自己注射用注入器・注射針の操作時に用いる補助具を安全かつ有用に使用するための留意点をまとめたことを発表した。本留意点は学会編集の「糖尿病の薬物管理必携 糖尿病薬物療法認定薬剤師ガイドブック(じほう)」の追加内容として発表された。

ADAが2019年版の糖尿病診療指針「Standards of Medical Care in Diabetes」を発表 (1月1日)
米国糖尿病学会(ADA)は、2019年版の糖尿病診療指針「Standards of Medical Care in Diabetes」を発表した。糖尿病に関するテクノロジーに特化したセクションが追加され、血糖自己測定、自動インスリン投与デバイスや血糖モニタリングについてのディスカッション等の新たな推奨事項が記載された。

ライフスタイルの管理について、糖分や甘味料の消費を減らし水分摂取を重視することを推奨し、食事療法の個別化を強調している。また遠隔医療を医療アクセス促進のための成長分野に位置づけたり、医療従事者と患者のコミュニケーションのための共通言語について記載されたりと、より患者を中心とした改訂が行われた。