SGLT2阻害薬の有効性と安全性に関する最新記事を紹介しています。安全性に関してはSGLT2阻害薬における下肢切断の影響を検討した新たな知見となり、SGLT2阻害薬の安全性において大変重要な報告となりますので是非とも内容をご確認下さい。

薬事・食品衛生審議会の医薬品第一部会の開催 (12月3日)
厚生労働省は、12月3日に新薬の承認の可否などを検討する薬食審・医薬品第一部会を開催を予定している。本会の審議事項として、スーグラを含む計8製品の承認可否について審議される予定であり、スーグラ錠の20mg、50mgの「1型糖尿病」の新効能を追加が検討される。

SGLT2阻害薬による下肢切断と糖尿病性ケトアシドーシスのリスク上昇に関して (11月15日)
2013年から2016年までのスウェーデンとデンマークのコホート研究において、SGLT2阻害薬が投与された17,000例とGLP-1受容体作動薬が投与された17,000例の有害事象の発現率を比較した結果、SGLT2阻害薬はGLP-1受容体作動薬に比べて、下肢切断と糖尿病性ケトアシドーシスがどちらも2倍ほど生じやすいことが報告され、記事がNEJMに掲載された。1,000人/年あたりの下肢切断の割合はSGLT2阻害薬群では2.7、GLP1受容体作動薬群では1.1であり、糖尿病性ケトアシドーシスはそれぞれ 1.3と0.6であった。また、本試験のSGLT2阻害薬の99%はダパグリフロジンとエンパグリフロジンであり、既に下肢切断の警告を有するカナグリフロジンの使用患者は僅か1%であった。

エンパグリフロジンの試験であるリアルワールドエビデンス研究「EMPRISE」の解析結果が発表 (11月5日)
ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリーは、シカゴで開催されたアメリカ心臓協会(AHA)の2018年年次集会において、2型糖尿病患者約35,000人を対象にした2014年8月から2016年9月までのEMPRISE研究のデータを公表し、ベーリンガーインゲルハイムのウェブサイトにプレスリリースが公表された。本研究の解析結果から、米国の日常診療において、エンパグリフロジンはDPP-4阻害薬と比較して、心不全による入院リスクを44%低下させることと相関することが示された。ジャディアンスと心不全による入院リスク低下との相関は、心血管疾患の既往に関わらず一貫している。