糖尿病の発症に関連する新たなメカニズムを解明した研究結果が多数発表されています。新たなメカニズムの解明が更なる治療法の開発に繋がり、今後の糖尿病治療の進展に期待されます。内容をご確認頂き、知識補完にお役立てください。

肝臓から分泌されるアクチビンEが脂肪燃焼細胞の増加を促進させることを解明 (10月30日)
北里大学、京都大学、奈良先端科学技術大学の研究チームは、肝臓から分泌されるホルモンである「アクチビンE」が脂肪を燃焼させる褐色脂肪細胞を活性化やベージュ脂肪細胞の増加を促進し、エネルギー代謝を亢進させる事を発見し、研究成果が米国の国際学術誌「Cell Reports」のオンライン版に掲載された。本研究成果により、糖尿病や肥満の治療薬の開発につながることが期待される。

ピアサポートで抑うつ症状を有する2型糖尿病患者の入院リスクを低下 (10月29日)
抑うつ症状を有する2型糖尿病患者では、ピアサポートによる介入で急性期の受診や入院リスクを低下させる可能性があることが確認され、記事が「Diabetes Care」のオンライン版に掲載された。ピアサポートとは専門家によるサポートとは異なり、患者間が相互に支えあって課題解決を行う事で、更なる効果が期待できると考えられる。本研究ではピアサポートによる介入が抑うつ症状を有する2型糖尿病患者の急性期の受診や入院リスクの低下を確認した。

免疫チェックポイント分子のLAG-3による免疫抑制のメカニズムが解明 (10月22日)
徳島大学先の研究グループは、免疫チェックポイント分子の「LAG-3」による免疫抑制のメカニズムを解明したことを発表し、研究結果が「Nature Immunology」のオンライン版に掲載された。LAG-3はPD-1とCTLA-4に次ぐ第3の免疫チェックポイント分子として注目されており、LAG-3を標的とすることで新たながん免疫療法や1型糖尿病を含む自己免疫疾患発症の治療法の開発につながる可能性が期待される。

血中プロラクチンの高値が女性の2型糖尿病リスクを減少 (10月11日)
ハーバード大学の研究で、米国人女性において血中プロラクチン濃度と2型糖尿病リスクの関連を検証した試験結果が「Diabetologia」のオンライン版に掲載された。2型糖尿病や心血管疾患のない8,615人を対象に、前向きに最長22年間追跡し、米国人女性では血中プロラクチンが正常高値であると2型糖尿病を発症するリスクが低下する可能性があることが確認された。