糖尿病と肥満の関連についての新たな知見が報告されています。内容を確認いただき先生との話題にご活用下さい。

Worldwide trends in insufficient physical activity from 2001 to 2016: a pooled analysis of 358 population-based surveys with 1・9 million participants (9月4日)
世界の成人人口の約14億人以上が運動不足によって、2型糖尿病、心血管疾患、認知症、がんなどのリスクが高まっている事が世界保健機関(WHO)により発表され、研究結果がLancetに掲載された。報告によると168ヵ国の18歳以上の成人約190万人が対象で調査が行われており、世界の男性の4人に1人(23%)、女性の3人に1人(32%)が健康を維持するのに必要な身体活動を行っていないことが明らかとなった。

2型糖尿病の心不全リスクに及ぼす血糖降下薬間の検証 (9月4日)
2型糖尿病の心不全による入院リスクに及ぼす影響に関して、GLP-1受容体作動薬、DPP-4阻害薬、SGLT-2阻害薬の3剤を比較したメタ解析が行われ、結果が「JACC Heart Fail」に掲載された。本研究は、9件の試験で8万7162例を対象にネットワークメタ解析を行っており、プラセボ群と比較した結果、心不全による入院リスクはSGLT-2阻害薬で最も低かった事が示された。

1型糖尿病の体外診断用医薬品である抗IA-2抗体測定キット(IA-2Ab「コスミック」)の販売中止及び切替の案内 (9月1日)
株式会社コスミックコーポレーションは、1型糖尿病の体外診断用医薬品である抗IA-2抗体測定キット「IA-2Ab『コスミック』」の販売を中止し、後継品の「IA-2Ab ELISA『コスミック』」への切り替えを行う事を発表した。従来の放射性免疫測定(RIA)法から、放射性物質を使用しない酵素免疫測定(ELISA)法の製品に統一するための措置であり、また測定法の切り替えに伴い、測定値や基準値が変更となることを注意喚起している。

肥満であると糖尿病の前段階でも腎臓に負担がかかっていると判明 (9月14日)
大阪市立大学の代謝内分泌病態内科学の研究グループは、糖尿病前段階かつ肥満である人は腎臓に負担がかかっていることを発表した。合併症や既往歴、内服歴のない54名の腎移植ドナーを対象にGomezの式を用いて肥満度、インスリン抵抗性、糸球体内圧、アルブミン尿の関連性について検討した結果、糖尿病前段階であっても肥満である人は糸球体内圧が高く、腎症の判断基準となるアルブミン尿が多いことが明らかになった。