今回リナグリプチンの最新研究、SU薬の安全性に関するコホート研究、新薬のライセンス・開発情報について紹介しています。是非、糖尿病薬の情報updateにご活用ください。

リナグリプチンは成人2型糖尿病患者において長期的な心血管安全性を示す (7月26日)
ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリーは、標準治療に上乗せしたリナグリプチンの長期心血管の安全性を検証するCARMELINA®1試験において、心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中のいずれかの初回発現までの期間として定義した主要評価項目を達成し、リナグリプチンはプラセボと同等の心血管安全性を示したことを公表した。

プレスリリースによると、CARMELINA®試験の詳細な結果は、10月4日にドイツのベルリンで開催される第54回欧州糖尿病学会の年次総会で発表される予定とされている。

SU薬の追加・切り替えによる合併症リスクの増加を示唆するコホート研究 (7月18日)
第2選択薬としてSU薬を使用することによる合併症のリスク増加を示唆する報告が「BMJ」オンライン版に掲載された。英国の診療データ(UK Clinical Practice Research Datalink)を用いて、77,138例の解析を行った。

メトホルミン単剤で既に治療を受けている血糖コントロール不良の2型糖尿病患者に対してスルホニル尿素(SU)薬の追加または切り替えを行った例において、心筋梗塞、総死亡、重症低血糖のリスク上昇が確認された。さらにSU薬に切り替えた群は、追加群に比べて、心筋梗塞、総死亡リスクが増加し、著者は「メトホルミン使用患者は、SU薬に切り替えるより追加を行う方が安全である可能性がある」としている。

武田薬品工業は肥満症治療剤であるオブリーン錠に関するライセンス・開発契約を終了する事を発表 (7月13日)
武田薬品工業は、肥満症治療剤「オブリーン®錠120mg」(一般名:セチリスタット)の日本における開発、製造および販売に関するライセンス・開発契約について、2018年10月13日をもって終了することを、Norgine社と合意したことを発表した。本剤は英国Alizyme社が創製したリパーゼ阻害剤で、脂質吸収を抑制する日本で初めての肥満症治療剤である。武田薬品工業は本剤に関する開発および販売に関する権利を取得していた。

次世代の糖尿病治療薬であるミトコンドリア改善薬「Imeglimin」の日本での第Ⅲ相試験の患者登録が完了 (7月3日)
Poxel社は、2型糖尿病の治療薬として開発中の治療薬「Imeglimin」の日本における第Ⅲ相臨床試験「TIMES 1試験」の患者登録が完了したことを発表した。

本剤は大日本住友製薬が日本、中国、韓国、台湾および東南アジア9カ国を対象とした開発・販売提携契約を締結した、新しい作用機序を有する2型糖尿病治療剤の候補化合物であり、日本における新薬承認申請を2020年に行うことを目指している。

※参考
https://www.ds-pharma.co.jp/ir/news/2017/20171030.html