糖尿病とがんとの関連についての新たな知見や、従来より比較的簡便に2型糖尿病の高リスク患者を把握できる可能性のある新たな評価法について紹介しています。是非、内容を確認いただき先生との話題にご活用下さい。

簡便な体力テストによる2型糖尿病のリスク評価 (7月28日)
糖尿病ではない20歳から92歳の成人21,802人を6年間追跡し、体力テストの成績と2型糖尿病の発症リスクの関連を検討した、東北大学の研究結果が「Journal of Epidemiology」のオンライン版にに掲載された。体重当たりの握力の成績が悪いほど、2型糖尿病の発症リスクは高く、閉眼片足立ちの成績が良い群と比較して、成績が悪かった群の2型糖尿病の発症リスクは高い値を示した。

東北大学は「本研究は、筋力やバランス能力を評価することで、従来の全身持久力による評価より比較的簡便に2型糖尿病の高リスク者を把握できる可能性を示しており、2型糖尿病の予防を目的とした体力測定の重要性を示す重要な報告」であるとしている。

旭化成ファーマは、グリコアルブミン測定試薬の米国における販売契約を締結 (7月24日)
旭化成ファーマは、グリコアルブミン測定試薬の米国向け仕様製品「Lucica Glycated Albumin-L」(日本向けの販売名:ルシカ GA-L)について、米国のStanbio Laboratory, L.P.と、米国における独占的販売権を供与する契約を締結した。グリコアルブミン測定試薬は、旭化成ファーマが自動分析装置用測定試薬として開発したもので、日本では2002年に承認を取得し販売している。

糖尿病と癌との関連における性差 (7月20日)
糖尿病と癌との関連における性差について検討を行った報告が「Diabetologia」のオンライン版で掲載された。本研究は2,000万人、100万回のイベントを含む121件のコホート研究についてメタ解析を行ったシステマティックレビューであり、糖尿病の女性は男性に比べてがん発症リスクが6%程度高かった。さらに口腔がん、胃がん、腎臓がん、および白血病について女性は男性よりも有意にリスクが高く、一方で肝臓がんのリスクが低いことが示唆された。