第78回米国糖尿病学会(ADA)の年次学術集会が6/22から6/26に米国オーランドにて開催されました。集会の中では糖尿病薬についての試験結果が複数発表されており、その一部についてもご紹介します。

トレシーバがインスリングラルギンU300と比較して、優れた血糖コントロールおよび低血糖の発現率の有意な低下を示したCONFIRM試験が発表された (6月28日)
トレシーバの効果をインスリングラルギンU300と比較したリアルワールドエビデンス試験であるCONFIRM試験の所見が、第78回米国糖尿病学会の年次学術集会で発表された。初めて基礎インスリン製剤の投与を開始した4,000人を超える成人2型糖尿病患者を対象とした後ろ向き日介入効果比較新であり、トレシーバ投与6ヵ月後の患者は、インスリングラルギンU300の投与を受けた患者と比較して有意にHbA1cが低下した。

ノボノルディスクは「リアルワールド試験は、日常の臨床診療において、臨床試験が患者さんにとっての実質的な価値となりうるかを理解するために重要です。CONFIRM試験の結果は、成人2型糖尿病患者さんにおけるトレシーバに関するこれまでに集積されたエビデンスに加わるものとなるでしょう。」と述べている。

オゼンピックがBMI25以上の2型糖尿病患者の体重を減少させることを示したSUSTAIN7事後解析の結果が発表された (6月28日)
オゼンピック0.5mgまたは1.0mgによりベースライン時のBMIに関わらず、デュラグルチド0.75mgまたは1.5mgと比較して大きな体重減少が得られたSUSTAIN7の解析結果が、第78回米国糖尿病学会の年次学術集会で発表された。すべてのBMIサブグループにおいてデュラグルチドと比較してオゼンピックでより多くの患者が5%以上および10%以上の体重減少を達成した。

ノボノルディスクは「世界的に、最大90%の2型糖尿病患者さんが過体重または肥満です。したがって、2型糖尿病において、いかに体重管理をするかを考えることが重要です。SUSTAIN臨床試験プログラムによると、オゼンピックは、2型糖尿病患者さんがHb1Acを管理し、体重を減らすのに役立つものと期待されます。」と述べている。

持参薬の確認で糖尿病患者の救急外来受診が減少 約3万人の米国人患者を対象に分析 (6月11日)
外来糖尿病患者における服用薬の確認が、救急外来受診と入院頻度の低下に繋がることを検証した後ろ向きコホート研究が「Diabetes Care」オンライン版に掲載された。本報告は3万1,689人を対象に6ヵ月間における服用薬の確認頻度と、続く6ヵ月間の救急外来受診と入院頻度の関連を検証した後ろ向きコホート研究である。さらに医療従事者に対する個人評価を導入することで、服用薬を常に確認する確率が有意に上昇し、より包括的な服用薬確認が達成されることを示唆した。