今回はサノフィによるランタスXR注ソロスターの使用成績調査や、日本イーライリリーと日本ベーリンガーインゲルハイムによる基礎インスリン療法に抵抗感を持つ患者に対する報告「EMORION」を紹介しています。医療関係者による効果的な働きかけについての興味深い調査結果ですので是非、先生との話題にご活用下さい。

インド国内でジェネリック医薬品の筆頭格メーカーであるシプラが、糖尿病薬ベイザグラと吸入インスリンのAfrezzaをインドで販売 (6月8日)
インドの製薬会社であるシプラ社は、イーライリリーの糖尿病薬「ベイザグラ」をインドで販売すると6月8日のプレスリリースで明らかにした。さらにFDAで承認された唯一の吸入インスリンAfrezzaのインドにおける独占販売契約をMannKind Corporation社と締結したことを翌9日に発表している。

持効型溶解インスリンアナログ製剤「ランタスXR注ソロスター」の使用成績調査が発表 (5月28日)
サノフィは、持効型溶解インスリンアナログ製剤「ランタスXR注ソロスター」の投与3カ月時点での12カ月間の使用成績調査の解析結果を、第61回日本糖尿病学会年次学術集会において発表した。解析対象例全体でランタスXRでHbA1cは有意に改善し、低血糖の発現は認められたが新たな安全性上の懸念は認められなかった。投与初期での本剤の有効性と安全性が明らかになった。

基礎インスリン療法に抵抗感を持つ日本人の2型糖尿病患者が治療を開始するための効果的な働きかけについて (5月24日)
日本イーライリリーと日本ベーリンガーインゲルハイムは、日本を含む7カ国で実施した、2型糖尿病患者の基礎インスリン療法に対する抵抗感の克服に関する国際観察研究「EMOTION」において、日本人の2型糖尿病患者の調査結果を発表した。

基礎インスリン療法開始の助けとなった医療者による言動や出来事で、45項目の質問のうち、日本人および外国人患者ともに共通している項目は「注射手順の丁寧な説明」で、次いで「インスリンペンを提示」、「インスリン注射の簡単さの説明」の順であった。

さらに「インスリンを一生続ける必要がないかもしれないことを説明」や「前向きな出来事があり糖尿病管理を改善すべきと実感」、「インスリンに関するパンフレットや資料の提供」が外国人患者と比較して日本人患者で特徴的に上位に見られた項目として挙げられている。

Semaglutide Found to Be Effective Against Type 2 Diabetes
The once-weekly glucagon-like peptide 1 receptor agonist cuts HbA1c, body weight
(5月13日)
週1回投与のGLP-1作動薬のセマグルチドが、2型糖尿病患者に有効であるとの論文が、「Diabetes, Obesity and Metabolism」の5月13日オンライン版で報告された。本報告は7つの試験のメタ解析結果であり、HbA1c値の変化量、体重の減少、収縮期血圧の改善が報告された。また悪心や嘔吐、下痢といった消化器系の有害事象の発現率は上昇、糖尿病網膜症の発現リスクはプラセボ群に対して1.32倍高かった。