先駆け審査指定制度は、平成27年4月に創設され、世界に先駆けて開発され早い段階で有効性が期待される製品を厚生労働省が指定するものです。一定の要件を満たす画期的な新薬等を早期に実用化する事を目的とした制度であり、指定された品目は薬事承認に係る相談・審査において優先的な取扱いを受けることができ、審査期間の短縮などが期待されます。今回の指定についても、興味を持たれる先生も多いと考えられるため、話題として活用されてはいかがでしょうか。

【出典】 厚生労働省 – 先駆け審査指定制度について

Safety of intranasal human insulin: A review (4月6日)
ヒトインスリンの経鼻投与の安全性を評価したシステマティックレビューの報告が「Diabetes, Obesity and Metabolism」のオンライン版に掲載された。短期のインスリン経鼻投与に関する38件(全症例:1,092名)の報告と、21日~9.7年の投与期間であった18件(全症例:832名)が解析対象であり、症候性の低血糖や重度の有害事象は確認されなかった。その一方で、長期的な安全性を確認するには不十分であり、鼻刺激感を引き起こしにくい改良された製剤が今後望まれると報告内では結論付けられている。

日本メドトロニック、低血糖を予測しインスリン注入を中断し、回復後に自動再開する機能を持つインスリンポンプ ミニメド 640G システムの販売を開始 (4月2日)
ミニメド 640Gシステムにはメドトロニックの独自技術であるスマートガードテクノロジーを搭載し、低血糖予防に向けた新しい技術を通じて、糖尿病患者さんの血糖コントロールを改善するよう設計されている。スマートガードテクノロジーは、患者さんごとの症状に合わせて複数の下限値を設定することができ、糖尿病患者さんを低血糖から守ることを目指して設計された日本初の技術である。ミニメド 640Gシステムは、ヨーロッパ、オーストラリア、ラテンアメリカ地域などの諸外国ではすでに発売されている。

協和発酵キリン「新機序のバルドキソロンメチルが糖尿病性腎臓病で先駆け審査指定品目に指定」 (3月28日)
協和発酵キリンは3月28日、低分子化合物のバルドキソロンメチル(開発番号:RTA 402)について、糖尿病性腎臓病(DKD: Diabetic Kidney Disease) を対象に、厚生労働省が定める「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定された事を発表した。現在、同社は、RTA 402 の有効性及び安全性を検証するための第3相臨床試験の開始に向け準備を進めている。

ノボノルディスク プレスリリース「週1回投与のGLP-1アナログ(セマグルチド)が2型糖尿病治療薬として承認」 (3月23日)
ノボノルディスクは3月23日、国内で3剤目となる週1回投与のGLP-1受容体作動薬であるオゼンピック(一般名:セマグルチド)を2型糖尿病の治療薬としての製造販売を承認したと発表した。さらに日本において薬価収載後すみやかにオゼンピックを上市する予定と発表されている。

Dipeptidyl peptidase-4 inhibitors and incidence of inflammatory bowel disease among patients with type 2 diabetes: population based cohort study (3月21日)
2型糖尿病患者におけるDPP-4阻害薬と炎症性腸疾患(IBD)との関係を検討した観察研究の結果、DPP-4阻害薬は他の糖尿病治療薬に比べてIBD発症リスクが75%高かった事が「BMJ」のオンライン版に掲載された。本報告は英国で2007~2016年に糖尿病治療薬の使用を開始した18歳以上の2型糖尿病患者約14万例を対象に、DPP-4阻害薬の使用とIBD発症との関連を検討した観察研究結果である。