初の経口GLP-1受容体作動薬が日本で製造販売承認申請した発表や、DPP-4阻害薬やSGLT2阻害薬の安全性に関する発表についてご紹介しております。先生方が既存薬について安全性をどのように考慮して処方されているか、また新薬をどう位置付けて使用されるかについてご意見をお伺いするトピックとしても情報を是非ご活用ください。

経口セマグルチドを日本で承認申請 (7月24日)

ノボノルディスクは初の経口GLP-1受容体作動薬である経口セマグルチドについて、2型糖尿病を適応症として日本で製造販売承認申請したと発表した。本申請はPIONEERプログラムに基づいており、同プログラムでは十分なHbA1cの低下および良好な忍容性を示し、主な有害事象は胃腸障害に関連する事象であることが発表の中で述べられた。

日本糖尿病学会が「SGLT2阻害薬適正使用に関するRecommendation」のアップデート版を公開 (7月23日)

日本糖尿病学会は「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」を改訂したことを発表した。 ケトアシドーシスのリスクの観点から、1型糖尿病患者への使用に関して注意喚起しており、SGLT2阻害薬の1型糖尿病患者の使用については「一定のリスクが伴うことを十分に認識すべきであり、使用する場合は、十分に臨床経験を積んだ専門医の指導のもと、患者自身が適切かつ積極的にインスリン治療に取り組んでおり、それでも血糖コントロールが不十分な場合にのみ使用を検討すべきである。」と適正使用を促している。

さらに重症低血糖、ケトアシドーシス、脱水・脳梗塞等、皮膚症状、尿路・性器感染症の事例と対策について詳細に解説されており、インスリンの慎重な減量方法について記載された。

DPP-4阻害薬に関連した心筋梗塞および心不全のリスク (7月23日)

DPP-4阻害薬の単独投与に関連した入院を必要とする心筋梗塞および心不全のリスクについて、ビグアナイドより高く、スルホニル尿素より低く、α-グルコシダーゼ阻害剤と同等であったことを示す研究結果が、Pharmacoepidemiology and Drug Safetyで発表された。

医薬品医療機器総合機構の駒嶺 真希氏らが報告した、日本の糖尿病患者270万人のコホート研究であり、DPP-4阻害薬の単独投与はビグアナイドと比較して48%高く、スルホニル尿素と比較して16%低く、α-グルコシダーゼ阻害剤と同等のリスクである結果であった。