SGLT2阻害薬による他疾患の新たな治療戦略、SGLT2阻害薬を含む糖尿病治療薬における心血管イベントに対する有効性およびSGLT2阻害薬の安全性を検証した報告をご紹介しています。SGLT2阻害薬を用いた治療戦略について、医師とディスカッションを行う際の参考として是非ご活用ください。

SGLT2阻害薬による血中DPP-4の減少を介したNAFLD/NASHの治療戦略 (2月27日)

非アルコール性脂肪性肝疾患を有する2型糖尿病患者における血中DPP-4濃度に対するダパグリフロジンの影響について検証された研究報告が「International Journal of Clinical Practice」に掲載された。

ダパグリフロジン治療後に肝機能障害が改善し、それは血中DPP-4の減少と関連していることがわかった。血糖降下や体重減少とは別にSGLT2阻害薬による血中DPP-4の減少は2型糖尿病患者のNAFLD/NASHの治療戦略となるかもしれないと結論付けられている。

DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬およびGLP1受容体作動薬によるCVへの効果をみたメタ解析 (2月20日)

心不全による入院、心血管死、心筋梗塞、脳卒中に対して、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬およびGLP1受容体作動薬の効果をメタ解析した結果が「Diabetes Research and Clinical Practice」で報告された。

DPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬は心不全による入院を有意に減少させた。一方でクラスとしてのGLP1受容体作動薬はアテローム性動脈硬化症のリスクを減らし、心筋梗塞および脳卒中の有意な減少を示した。

SGLT2阻害薬の安全性に関するメタ解析およびシステマティックレビュー (2月1日)

SGLT2阻害薬の使用と市販後に報告された有害事象の関連性を検証した研究報告が「BMJ open」で報告された。解析対象の109の引用のうち、ほとんどの研究はダパグリフロジン、カナグリフロジン、エンパグリフロジンおよびイプラグリフロジンのうちの1つを含んでおり、急性腎障害(AKI)、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)、尿路感染症(UTI)、骨折および下肢切断について検証された。

プラセボまたは比較薬と比べて、SGLT2阻害薬はクラスとして、AKI、DKA、UTIまたは骨折のリスク増加を示唆しなかった。ダパグリフロジンは独立してUTIのリスク増加を示唆したが、クラス内のリスク変動のメカニズムは不明であると結論付けられている。