SGLT2阻害薬の新たな適応や、これまで報告されているプレイオトロピックエフェクトを更に裏付ける研究報告が寄せられています。こうしたニュースによりSGLT2阻害薬における競争環境が変化する可能性があります。是非、これらの報告を用いて先生の治療方針の変化をご確認ください。

選択的SGLT2阻害剤「スーグラ®錠」日本において1型糖尿病の効能・効果および用法・用量追加の承認を取得 (12月21日)
アステラス製薬と寿製薬はスーグラ®錠に関し、アステラス製薬が日本において「1型糖尿病」の効能・効果および用法・用量追加の承認を取得したことを明らかにした。
アステラス製薬は「アステラス製薬は、このたびの効能・効果および用法・用量追加により、インスリン治療を行ったにもかかわらず血糖コントロールが不十分な1型糖尿病患者さんに新たな治療選択肢を提供することで、糖尿病治療に一層の貢献をしていきます。」と発表した。

SGLT2阻害薬とプラセボの腎保護作用を比較したメタ解析 (12月18日)
腎障害の罹患している2型糖尿病患者と罹患していない患者におけるSGLT2阻害薬とプラセボの腎保護作用を比較したメタ解析結果が「Diabetes, Obesity and Metabolism」で発表された。

25件の報告で43,721人の症例が得られ、SGLT2阻害薬はeGFRの低下を遅らせ、アルブミン尿症の進行を低下させ、腎臓の有害エンドポイントを改善した。さらに全死亡率を低下させた一方で、生殖器感染症のリスクを高めることが認められた。

EXSCEL試験の解析によるSGLT2阻害薬の主要心血管イベント(MACE)、総死亡率(ACM)、および推定糸球体濾過率(eGFR)に対する効果 (12月6日)
2型糖尿病患者において、エキセナチドの心血管に関する長期の安全性と有効性を検討したEXSCEL試験の、プラセボ群における解析結果が「Diabetes Care」で発表された。この解析は、EXSCEL試験のプラセボ群を解析することで、主要心血管イベント(MACE)、総死亡率(ACM)、および推定糸球体濾過率(eGFR)に対するダパグリフロジンの効果がSGLT2阻害薬全体のクラスエフェクトと一貫しているかどうかを検証する目的で行われた。

SGLT2阻害薬の服薬開始はEXSCEL試験の10.6%の症例に起こり、5.2%がダパグリフロジンを服用していた。結果、ダパグリフロジンを含むすべてのSGLT2阻害薬において有益な効果が見られ、ACMの減少とeGFR低下の減少が認められた。