Circulation誌において、カナグリフロジンの心血管疾患の有効性を評価したCANVAS試験から心血管疾患の既往の有無別に解析した詳細結果が報告されました。

本報告では、心血管イベントの既往がない一次予防の患者が3486名、心血管イベントの既往歴を有する二次予防の患者が6656名が対象で、主要評価項目に心血管死亡、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中の複合心血管イベントの発生リスクを検討しています。結果、2次予防群ではカナグリフロジン群で18%の有意な減少(HR:0.82 [95% CI 0.72-0.95])が示される一方で、1次予防群ではカナグリフロジン群のリスク減少は2%に留まる結果でした(HR:0.98 [95% CI 0.74-1.30])。

また心不全による入院は、2次予防群ではカナグリフロジン群で32%の有意なリスク減少(HR:0.68 [95% CI 0.51-0.90])が示されました。1次予防群ではカナグリフロジン群で36%減少しましたが、統計的な有意差は認められませんでした(HR:0.64、0.35-1.15)。

腎関連の複合イベント(推算糸球体濾過量[eGFR]の40%以上の低下、末期腎不全、腎疾患死亡)は、2次予防群ではカナグリフロジン群で41%の有意なリスク減少(HR:0.59 [CI 0.44-0.79])が示されました。1次予防群ではカナグリフロジン群で37%のリスク減少が示されましたが、統計的な有意差は認められませんでした(HR:0.63 [CI 0.39-1.02])。

CANVAS試験の層別解析結果により、カナグリフロジンは心血管および腎関連イベントに関して、1次予防群と2次予防群において有意な交互作用(結果のバラつき)は認められませんでした。

Canagliflozin for Primary and Secondary Prevention of Cardiovascular Events: Results From the CANVAS Program (Canagliflozin Cardiovascular Assessment Study)