今後、SGLT2阻害剤だけでなく、今後は糖尿病に関連する最新情報、その他糖尿病薬に関する情報をお届けします。是非最新情報のチェックや日々のMR活動にお役立てください。

東京医科歯科大学 プレス通知資料「糖尿病治療薬メトホルミンが、腎臓からの塩分排泄を増加させる 」 (3月9日)
最近、糖尿病治療薬であるメトホルミンが血圧降下作用を持つ可能性が報告されたが、腎臓にお
けるメトホルミンの血圧調節作用やその機序は不明であり、今回 マウスを用いた実験で、メトホルミンが腎臓で塩の再吸収を行うナトリウム-クロライド共輸送体(NCC)のリン酸化を低下させることにより、尿への塩分排泄を増加させることを明らかにした。「メトホルミンが腎臓からの塩分排泄を増加させることにより血圧を低下させる可能性が示され、高血圧を有するメタボリック症候群症例などへのメトホルミンのさらなる活用が期待される。」 と発表されている。

The role of renal dipeptidyl peptidase-4 in kidney disease: renal effects of dipeptidyl peptidase-4 inhibitors with a focus on linagliptin (2月28日)
DPP-4阻害薬の腎保護効果に関する総説がClinical Science誌に発表された。
金沢医科大学はこれまでの研究で、リナグリプチンの腎臓線維化抑制効果について発表しており、「近々、リナグリプチンを用いた心血管イベントと腎イベントをアウトカムとした大規模臨床試験Cardiovascular and Renal Microvascular Outcome Study with Linagliptin in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus (CARMELINA) が発表される予定であり、この機会を用いてDPP-4阻害薬、特にリナグリプチンの腎保護効果をまとめてみました。」と述べられている。

Monthlyミクス連載記事「医師の処方動向をよむ」 (2月28日)
医療情報総合研究所(JMIRI)の調剤レセプト情報データを用いたミクス誌の「医師の処方動向をよむ」によると、17年12月時点の経口血糖降下薬のクラス別の患者数シェア(複数のクラスの併用は重複してカウント)は、DPP-4阻害薬が66%、次いでビグアナイド(BG)薬が34%としている。

医薬品医療機器総合機構による医薬品に関する評価中のリスク等の情報 (2月23日)
医薬品医療機器総合機構(PMDA)は2月23日に、使用上の注意の改訂等に繋がりうる注目しているリスク情報を公表した。DPP-4阻害薬4成分(アナグリプチン、リナグリプチン、テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物、テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物・カナグリフロジン水和物配合錠)で急性膵炎、さらにアナグリプチンでは類天疱瘡が評価中のリスク情報として掲載された。

岩手医科大学 プレスリリース「副作用の少ない糖尿病薬や抗がん剤の開発に結びつく酵素の立体構造を解明しました」 (2月9日)
今回、岩手医科大学薬学部の阪本泰光准教授、昭和大学薬学部の田中信忠准教授、⻑岡技術科学大学の小笠原渉教授らの研究グループは、ヒト DPP8/9 の類縁酵素の立体構造を高分解能で明らかにした。「ヒト DPP8/9 の類縁酵素の立体構造は、副作用の少ない糖尿病薬や抗がん剤の開発、炎症性細胞死のメカニズム解明に役立つと考えられます。」と発表されている。